2026.4.21
悪質リフォームの被害額が150億円超で過去最多――高齢者の7割が標的になる理由
「屋根が傷んでいますよ」「すぐ工事が必要です」――突然自宅を訪れた業者にそう告げられ、高額な修繕費用を支払ってしまう。そんな悪質リフォームの被害が、いま過去最悪の水準に達しています。
警察庁の発表によると、昨年1年間で全国83件の悪質リフォーム事件が検挙され、被害総額は150億円を超えました。件数・被害額ともに過去最多の更新です。被害者133人のうち、7割超が65歳以上の高齢者でした。
本記事では、なぜ高齢者が集中的に狙われるのか、業者はどんな手口を使うのかを整理した上で、被害に遭わないための具体的な対策を解説します。
83件・150億円超、ともに過去最多

警察庁の統計によると、昨年(2025年)1年間の悪質リフォームによる事件件数は全国で83件、被害総額は150億円を超え、いずれも記録を更新しました。
被害者は133人と確認されていますが、泣き寝入りやだまされたと気づいていないケースも多いと見られており、実態はさらに大きい可能性があります。
なぜ高齢者が狙われるのか
被害者133人のうち、65歳以上が7割超を占めます。これには、いくつかの構造的な理由があります。
破損箇所を自分で確認できない
屋根や床下は、住んでいる本人が直接目で見ることができません。業者に「ここが傷んでいる」と言われても、本当かどうかを確かめる手段がなく、言われるがままになってしまいやすい環境があります。
適正価格がわからない
屋根工事の相場は、一般の方には判断が難しいものです。「200万円かかります」と言われても、それが妥当なのか法外なのかを即座に判断できる人はほとんどいません。高齢者ほど、インターネットで相場を調べる習慣もなく、その場の説明を信じてしまいがちです。
悪質業者は「不安」をビジネスにしている
今回の警察庁の発表でも明らかになったように、業者がわざと住宅の一部を壊してから「壊れていた」と説明したり、省エネを口実に不要な工事を進めたりするケースが報告されています。最初から契約を取るための演出として破損をでっち上げる、極めて悪質な手口です。
悪質リフォームの典型的な手口

被害に共通する流れには、明確なパターンがあります。
1. 「無料点検」という口実で近づいてくる
「近くで工事をしていたら、お宅の屋根が気になりました」「無料で点検しますよ」などと声をかけられ、まず敷地内や屋根への立ち入りを求められます。「無料」という言葉で警戒心を下げるのが狙いです。
2. 嘘の劣化報告で不安をあおる
屋根に上がったり床下に潜ったりした後、「このままでは雨漏りする」「今すぐ直さないと大変なことになる」などと告げられます。写真を見せられることもありますが、別の現場の写真や、わざと壊した箇所を撮影したものである場合があります。
3. その場での契約を求められる
「今日なら値引きできる」「今すぐでないと対応できない」と急かされ、考える時間を与えてもらえません。冷静に判断する前に署名させるのが、悪質業者の常套手段です。
被害に遭わないための5つの対策

1. 親や祖父母に「突然の業者は断っていい」と伝えておく
高齢者の多くは「断るのが失礼」という感覚を持っています。事前に家族から「突然来た業者は断って大丈夫」と伝えておくだけで、心理的なハードルが下がります。離れて暮らす家族がいる場合は、今すぐ一言伝えておきましょう。
2. 業者が来たらその場で家族に電話する
「家族に確認してから決める」を口癖にさせましょう。業者が来た瞬間に家族へ電話する習慣があれば、その場での契約はほぼ防げます。「電話できないなら帰ってください」と言える環境をつくることが重要です。
3. 写真を見せられても信じない
「屋根が壊れています」と写真を見せてくる業者がいますが、別の現場の写真や、業者自身がわざと壊した箇所を撮影しているケースが確認されています。写真はいくらでも偽造できます。「見せてもらっても判断できないので結構です」で十分です。
4. 見積書をもらって持ち帰る
「今日中に決めないと」は業者の常套句です。急かされても、見積書をもらって持ち帰り、別の業者にも同じ箇所を見てもらいましょう。相見積もりを取るだけで、法外な価格かどうかがすぐにわかります。
5. 現金でその場で払わない
支払いを現金で済ませてしまうと、返金を求めても業者が姿を消した場合に取り戻す手段がほぼなくなります。「手持ちがない」と伝え、その場での支払いを避けることが最大の防御です。契約してしまった場合は書面受領から8日以内にクーリングオフが使えます。不安なときは消費者ホットライン(188)へ。
屋根が心配なときは「自分で選んだ業者」に相談を
悪質業者の話を聞くと、屋根の点検すべてが怖く感じるかもしれません。しかし、屋根は実際に経年劣化するものであり、適切な時期にメンテナンスを行うことは住まいを守るうえで欠かせません。
大切なのは、飛び込みの業者に任せるのではなく、自分で信頼できる業者を選ぶということです。
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まとめ
悪質リフォームの被害額は150億円超・検挙件数83件とともに過去最多を更新し、被害者の7割超が65歳以上の高齢者です。突然訪問してきた業者は敷地に入れない、その場で契約しない、不安なときは消費者ホットライン(188)に相談する——この3点が最大の防衛策です。
屋根の点検や修理が必要なときは、飛び込み業者ではなく自分で選んだ信頼できる業者に依頼しましょう。お近くの信頼できる屋根屋さんはこちらをご覧ください。
