arrow_upward

2026.4.3

悪質リフォーム詐欺の検挙件数が過去最多――"トクリュウ"関与、被害総額5億7400万円の実態

「屋根が古くなっていますよ」――住宅の無料点検を装い、不安を煽って高額な工事を契約させる「悪質リフォーム詐欺」の検挙件数が、2025年に過去最多を記録しました。

全国で83事件、175人が検挙。さらに、そのうち34事件には近年社会問題となっている匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」の関与が疑われています。もはや個人の悪質業者による犯行ではなく、組織犯罪としてリフォーム詐欺が広がっている現実が浮き彫りになりました。

本記事では、警察庁の発表データと実際の被害事例をもとに、悪質リフォーム詐欺の最新動向と身を守るための具体策を解説します。

検挙件数・人数ともに過去最多を更新

警察庁の発表によると、2025年の悪質リフォーム詐欺の検挙件数は全国で83事件。前年より17事件増加し、過去最多となりました。検挙人数も前年比45人増の175人で、こちらも過去最多です。

注目すべきは、83事件のうち34事件で「トクリュウ」の関与が疑われている点です。トクリュウとは、SNSなどで集められた実行役が、互いの素性を知らないまま犯罪に加担する匿名・流動型の犯罪グループのこと。特殊詐欺や強盗事件で社会問題となっていますが、リフォーム詐欺の分野にも深く浸透していることが明らかになりました。

12都府県で約400人が被害、総額5億7400万円

具体的な被害事例として、東京都など12都府県にまたがる大規模な詐欺事件が報告されています。

2022年2月から2024年9月までの間に、約400人の住宅所有者が「屋根の浮いているところが壊れていて、このまま放置すれば雨漏りがしてしまいます」などと嘘の説明を受け、本来必要のない工事を契約させられました。被害総額は約5億7400万円にのぼります。

この事件では、神奈川県警が40代の会社員の男など5人と1法人を検挙しています。1人あたりの被害額は単純計算で約140万円。屋根工事の相場を知らないまま、不安に駆られて契約してしまう被害者の実態が浮かび上がります。

(参考:悪質リフォーム詐欺の検挙件数が過去最多に 「屋根が古くなっている」不安あおり高額請求 “トクリュウ”関与は34件

悪質リフォーム詐欺の典型的な手口

これらの事件に共通する手口には、明確なパターンがあります。

1. 「無料点検」を口実に接触する

「近くで工事をしていたら、お宅の屋根が気になった」「無料で点検しますよ」と声をかけ、まず住宅に近づきます。無料という言葉で警戒心を下げるのが狙いです。

2. 嘘の劣化報告で不安を煽る

屋根に上がったり、床下に潜ったりした後、「瓦がズレている」「水道管が古くなっている」「このまま放置すると雨漏りする」など、緊急性を演出する嘘の報告をします。写真を見せてくることもありますが、別の現場の写真や、わざと壊した箇所を撮影しているケースもあります。

3. その場で契約を迫る

「今日なら足場代が無料」「今すぐやらないと大変なことになる」と、考える時間を与えずに契約を迫ります。冷静に比較検討させないことが、詐欺成功の鍵だからです。

4. 不要な工事を高額で実施する

実際には必要のない工事を行い、相場を大幅に超える金額を請求します。工事の品質も極めて低く、かえって住宅を傷つけるケースすらあります。

悪質リフォーム詐欺から身を守る5つの鉄則

警察庁も注意を呼びかけていますが、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

1. 突然の訪問者を自宅に入れない

どんな理由であれ、事前連絡なしに訪ねてきた業者を敷地内や屋根に上げてはいけません。「結構です」の一言で断りましょう。正当な業者であれば、突然訪問して点検を申し出ることはありません。

2. その場で点検させない・契約しない

「無料だから」「すぐ終わるから」と言われても、その場で点検や契約に応じないこと。「家族と相談します」「他の業者にも見積もりを取ります」と伝えれば、まっとうな業者なら快く応じてくれます。逆に、急かしてくる業者は危険信号です。

3. 複数の業者から見積もりを取る

屋根工事の適正価格は、素人にはわかりにくいものです。必ず2〜3社から見積もりを取り、工事内容と金額を比較しましょう。1社だけの見積もりで即決するのは最も危険なパターンです。

4. 業者の実態を自分で調べる

会社名、所在地、建設業許可番号などを確認し、実在する業者かどうかを自分で調べましょう。ホームページがない、所在地がレンタルオフィス、口コミが一切ないといった場合は要注意です。

5. 不安を感じたらすぐ相談する

契約してしまった場合でも、訪問販売であれば書面受領から8日以内はクーリングオフが可能です。ただし、悪質業者は連絡が取れなくなるリスクがあるため、その場で支払わないことが最大の防御策です。困ったときは消費者ホットライン(188または最寄りの警察署に相談してください。

屋根が本当に心配なときは「自分で選んだ業者」に相談を

悪質業者の手口を知ると、屋根の訪問業者すべてが怖くなるかもしれません。しかし、屋根は実際に経年劣化するものであり、適切な時期にメンテナンスを行うことは住まいを守るうえで欠かせません。

大切なのは、飛び込みの業者に任せるのではなく、自分で信頼できる業者を選ぶということです。

やねプロでは、独自の審査基準を通過した全国の屋根工事業者のみを「やねプロ認定店」として掲載しています。「訪問業者に不安を煽られたけど本当に工事が必要なのか分からない」という方も、まずは認定店にセカンドオピニオンを取ることで、不要な工事や不当な請求を防ぐことができます。

まとめ

  • 悪質リフォーム詐欺の検挙件数は過去最多の83事件、175人。前年からさらに増加しており、被害は拡大の一途をたどっている

  • 34事件にトクリュウが関与。個人の悪質業者ではなく、組織犯罪としてリフォーム詐欺が行われている

  • 12都府県で約400人が被害、総額5億7400万円。1人あたり約140万円をだまし取られている

  • 「無料点検」→「嘘の劣化報告」→「その場で契約」が典型パターン。この流れに乗らないことが最大の防御

  • その場で払わない、その場で契約しない。クーリングオフ制度はあるが、悪質業者は逃げるリスクがある

  • 困ったら188または警察へ。一人で抱え込まず、すぐに相談を

  • 屋根の点検・修理は自分で業者を選ぶ:飛び込み業者に任せず、やねプロ認定店など信頼できる業者に相談を