2025.7.17
災害時の屋根修理、どこに頼む?|全日本災害住宅レジリエンス協会について徹底解説!
- はじめに
- 第1章:信頼できる業者探しが難しい現状
- 1. 急を要する屋根修理依頼
- 2.「顔の見えない」業者のリスク
- 3.価格・工事品質の見極めが困難
- 第2章:相談先
- 相談先① 地方自治体・行政機関
- 相談先② 保険会社
- 相談先③ 屋根材メーカー
- 相談先④ 一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)
- 第3章:一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)の概要と設立背景
- 1. 設立経緯
- 2. 設立目的
- 3. 組織体制
- 第4章:一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)の活動内容と連携体制
- 被災建物の復旧加速化プログラム
- 保険会社・自治体との役割分担
- 建設職人の地位向上施策
- 第5章:一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)活用ガイドと実績
- 1. ご利用の流れ
- 2. 過去の被災地支援実績
- 3. 申請から工事完了までのポイント
- まとめ
はじめに
台風や地震などの自然災害はいつ起こるかわからず、屋根の損壊が発生すると雨漏りや二次被害が拡大します。緊急時には迅速な対応が求められる一方、多数の業者から適正価格や工事品質を見極めるのは難しいのが現実です。
本記事では、台風や地震リスクの高い地域にお住まいの一般消費者の方々に向けて、災害・緊急時に屋根修理が必要となった際、自治体・保険会社・一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(以下、JRD)などの信頼できる相談先へ迷わずたどり着くための方法を解説します。
令和元年台風15号・19号のような近年の大型台風や大地震による屋根の損壊事例を踏まえ、安心して修理を依頼するための実践的な方法をぜひ知ってくださいね。
第1章:信頼できる業者探しが難しい現状

災害発生直後は、屋根の破損により建物内部へ水が侵入し、家財への二次被害や住宅の耐久性の低下を引き起こすことがあります。台風や地震で屋根に亀裂や瓦のずれが生じると、一刻も早く修理を進めたいと考える人は多いでしょう。
しかし被災直後は情報の収集や精査に割ける時間がほとんどなく、慌てて業者を選ぶと悪徳業者による本来の相場より高額な見積りを受け入れてしまうこともあります。
以下では、そうした緊急時の業者選びに潜む主なリスクを解説します。
1. 急を要する屋根修理依頼
台風や地震などの災害で屋根が損壊すると、一刻も早く工事を依頼しないと雨漏りや二次被害につながると考えてしまいます。ただし、被災直後から情報収集の時間が限られる上、早期対応を優先すると相場を超える高額請求を許容してしまいがちです。実際に、災害直後は概算見積もりが通常の倍以上になるケースもあり、適正価格を見極める余裕がなくなるのが現状です。
2.「顔の見えない」業者のリスク
災害時には混乱に乗じて、屋根工事業者になりすます悪徳業者も増えます。これらの業者は倫理観や技術力が不透明で、見積書に悪意ある追加項目が紛れ込んだり、工事後に手抜き部分が発覚したりするリスクがあります。とりわけ被災時は口コミや評判の精査が追いつかず、施工ミスや契約不履行といったトラブルが後を絶ちません。
3.価格・工事品質の見極めが困難
信頼できる相見積もりを取るためには、同じ工事項目・数量で複数社に見積依頼する必要がありますが、災害直後は業者不足で複数社から同時に見積を取得できない場合があります。結果として相場感を把握できず、悪徳業者による下地処理省略や工程遅延を理由とした追加請求など、費用と品質が伴わないトラブルが発生しやすくなります。
これらの現状を踏まえ、次章では災害時にも安心して頼れる具体的な相談先を紹介します。
第2章:相談先

相談先① 地方自治体・行政機関
地方自治体は被災前に「応急修理指定業者リスト」を整備し、災害発生後は市役所・町役場の防災窓口で同リストを公開します。例えば令和6年の能登半島地震では、石川県と各市町村が連携し、被災3ヶ月前に窓口掲示で施工業者情報を配布していた例もあります。行政保証の有無や対応エリア、登録社数には自治体ごとに差があるため、事前に自分の住まいの自治体窓口で詳細を確認しておくと安心です。
相談先② 保険会社
火災保険や風災補償付き損害保険に加入している場合、まず保険会社に事故受付を行い、被害調査員による現地調査を経て見積内容を精査するようにしましょう。多くの保険会社は契約者向けに提携修理業者リストを提供しています。また、提携業者は保険請求に精通しており、書類手続きや工事後のレポート作成をサポートしてくれる一方、適用範囲外の工事には自己負担が発生する場合もあります。保険金請求の条件や報告義務を事前に確認し、必要書類をそろえておくことがトラブル防止のコツです。
相談先③ 屋根材メーカー
屋根材メーカー各社は、自社製品の信頼性維持のため「認定施工店制度」を設け、技術講習や品質管理試験に合格した施工店のみを登録しています。メーカー保証を受けるには、工事完了後に施工写真や報告書を提出し、保証書に押印をもらうことが条件です。問い合わせは製品型番や保証書を手元に用意し、メーカーの専用ウェブフォームまたはコールセンターに連絡してください。型番不明の場合でもサンプル写真をメール送付すれば、自分に合った施工店を案内してもらえるケースが増えています。
相談先④ 一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)
JRDは令和元年9月1日の設立以降、全国約2,300社の加盟業者ネットワークを構築し、被災地情報を受理すると最寄りの登録事業者を抽出して無料で紹介します。利用方法は全国共通ダイヤルか公式Webフォームに被災地住所・損壊状況を入力するだけです。紹介後はアフターフォロー体制も整備され、工事品質や追加請求の有無をチェックしてくれます。厳格な加盟審査と定期監査を行い、悪徳業者を排除していることも特徴で、災害時に最初に頼れる窓口として信頼されています。
第3章:一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)の概要と設立背景

1. 設立経緯
一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)は、令和元年9月1日(防災の日)に登記されました。発足の直接的な契機となったのは、同年に千葉県を襲った台風15号および台風19号による甚大な住宅被害です。これらの大規模災害では、被災者が修理業者選定に苦慮し、悪質業者とのトラブルが多発しました。そうした現状を改善し、安心・安全な住宅復旧を一刻も早く実現するため、保険会社や行政、建設業界団体が連携してJRDを設立しました。
2. 設立目的
JRDの主な目的は二つあります。第一に、災害時における悪質業者の排除と、信頼性の高い施工サービスの提供です。加盟前に厳格な審査を実施し、定期的なモニタリングで品質を担保します。第二に、保険会社との連携によるスムーズな保険金請求支援です。被災者が業者選定で迷うことなく、契約から工事完了まで保険手続きが滞りなく進むよう、JRD加盟業者を介して一貫したサポート体制を築いています。
3. 組織体制
JRDには全国約2,300社の会員企業が登録されており、47都道府県すべてに対応が可能です。各地域に設けられた支部が地方自治体や消防団、防災協議会と協定を結び、平時から防災訓練や情報共有を実施しています。また、会員同士の定期研修や技術交流会を運営し、最新の災害復旧技術や保険制度のアップデートを共有しています。さらに組織内部には保険請求や建築技術、行政対応など複数の専門委員会を設置し、多角的な視点から常にサービス品質と業界全体のレジリエンス向上を図っていることも特徴です。これにより、災害時には全国ネットワークを活かして迅速かつ的確に被災地支援が可能となっています。
第4章:一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)の活動内容と連携体制
被災建物の復旧加速化プログラム
現地調査から工事開始までのワンストップ対応
被災者からの連絡を受けると、JRD事務局が速やかに最寄りの加盟業者へ調査を依頼します。調査結果を報告し、優先度の高い物件から順次工事着手の手配を行います。
独自の優先度判定システム
被害程度や緊急度、要配慮状況を定量化し、限られたリソースを効率的に配分します。
保険会社・自治体との役割分担
保険会社連携
保険金請求に必要な調査報告書作成をJRD加盟業者が行い、被災者の手続きを軽減します。保険会社は調査データを元に迅速に保険金を支払います。
自治体との連携
自治体の防災窓口と情報共有し、指定避難所への掲示や広報協力を実施しています。緊急時連絡網とシステムを連動することで、被災者がJRD紹介窓口へ迷わずアクセスできる仕組みの構築なども行っています。
建設職人の地位向上施策
建設業の魅力向上と人材流入の促進
JRDは、建設職人が「かっこいい」と思われるようにすることで、建設業への人材の流入を促進したいと考えています。これは、建設業界が抱える人手不足の問題に対処するためであり、最終的には、「建物を守る人」が増えることを目指しています
災害復旧活動を通じた専門職の社会貢献と地位確立
JRDは、災害の被害を事前に減らすための啓蒙活動も全国の事業者仲間と連携して実施しています。こうした活動を通じて、建設専門職の、特に災害時における専門性の重要性を啓発し、彼らの社会貢献度を高めることで、建設職人の地位向上に繋がると考えています。
第5章:一般社団法人全日本災害住宅レジリエンス協会(JRD)活用ガイドと実績
1. ご利用の流れ
お問い合わせ
公式サイトの「お問い合わせ」フォームにアクセスし、企業・個人を選択のうえ、会社名(または氏名)・住所・電話番号・被災状況など必要事項を入力して送信します。事務局による確認・ヒアリング
送信内容をJRD事務局が確認し、現地調査に必要な被災箇所の写真や図面など追加情報を求める場合があります。加盟業者への調査依頼
JRDが全国約2,300社の加盟ネットワークを活用し、被害程度や地域特性に応じた依頼者に合った業者へ現地調査を依頼します。調査報告・見積提示
調査結果をもとに、JRDの加盟店が被災者向けに適正な見積を提案してくれます。保険会社や自治体との連携を図りながら、適正価格・適切工事を担保します。工事実施・アフターフォロー
工事中は進捗状況を共有し、完了後は品質チェックを実施します。
2. 過去の被災地支援実績
令和6年能登半島地震(石川県)
被災3ヶ月前からのボランティア連携に加え、震災後はJRDが迅速に現地調査隊を派遣し、行政と連携して応急補修を支援しました。
詳しくは [能登半島地震ボランティア(2025-01-16)](https://jrd.or.jp/jrd_Kaiin/html/display_news.php?No=253&1751816072)をご覧ください
千葉県一宮町との協定(2019年台風15号後)
千葉県一宮町と災害時の復旧活動協定を締結し、JRD加盟業者が優先的に工事に入り、被災者の手続きをサポートしています。
詳しくは [協定締結の詳細(千葉県一宮町, 2024-09-05)]
(https://jrd.or.jp/jrd_Kaiin/html/display_news.php?No=250&1751789662)をご覧ください。
3. 申請から工事完了までのポイント
写真・図面の事前準備
問い合わせ時に被災箇所の写真や住宅図面をまとめておくと、調査依頼がスムーズになります。保険・自治体連携の活用
JRDでは損害保険業界や地方自治体と協定を結んでおり、保険金申請書類の作成支援や自治体窓口への情報提供を行います。追加情報の迅速対応
事務局からの問い合わせには早めに返信することで、調査・工事開始までのリードタイムを短縮できます。アフターフォロー確認
工事完了後1ヶ月以内にJRDへ品質確認のフィードバックを行うと、万一の不具合にも安心して対応可能です。
以上のように、JRDの全国ネットワークと公的連携体制を活用することで、災害時でも安心・迅速に屋根修理を進められます。
まとめ

災害時に「どこに相談すれば安心なのか」が明確になっていれば、被災直後の混乱下でも冷静に手続きを進められます。平時から自治体の応急修理指定業者リストや火災保険の保険証券、メーカー保証書を手元に用意し、Webサイトや窓口で最新情報を確認しておくことが大切です。
いざ屋根が損壊した際には、まず自治体窓口で登録業者をチェックし、次に保険会社の提携業者リストを活用するのがおすすめです。また、JRDの全国ネットワークで無料紹介を受けることで、適正価格かつ確かな技術力を備えた業者を迷わず選べるのも覚えておきましょう。
事前の登録・準備と申請フローを理解しておくことで、大切な住まいを守る最適な屋根修理が可能になります。万が一の備えとして、ぜひ今日から情報収集を始めてみてくださいね。
