2025.12.19
【注意喚起】山梨県で分電盤の点検商法が急増!「火災の危険」で高額契約…訪問業者の見分け方
分電盤の点検を装い「火災の危険」と不安をあおる点検商法が増加しています。正規点検の流れ、怪しい業者の特徴、断り方、188相談、クーリングオフまで解説します。
「分電盤を点検させてください」「このままだと火災の危険があります」――そんな言葉を突然の訪問で投げかけられたら、多くの人は一瞬で不安になります。しかも相手が“点検”を名乗り、家の中の見えない部分を指摘してくると、なおさら冷静な判断が難しくなるでしょう。
実際に山梨県内では、電気設備の点検を持ち掛けて高額な契約を結ばせる、いわゆる「点検商法」の相談が11月以降に急増しているとして、県民生活センターが注意を呼びかけています。本記事では、このニュースで報じられた事例を入り口に、本来の正規点検はどう進むのか、疑わしい業者に共通する特徴、そして訪問を受けた瞬間にできる対応を整理します。
「自分は大丈夫」と思っていても、狙われるのは“知識がない人”ではなく、“不安を突かれた瞬間の人”です。今日から使える判断軸として、ぜひ最後まで確認してみてください。
山梨県内で急増する「分電盤点検商法」――“火災の危険”を口実に高額契約へ

点検商法でトラブル相談急増 !「火災の危険」と分電盤の交換で18万円請求も 山梨
山梨県内で、電気設備の点検を持ち掛けて高額な契約を結ばせる「点検商法」の相談が、11月以降に急増しています。とくに高齢者が狙われるケースが多いとして、山梨県民生活センターが注意を呼びかけています。
報道で紹介されたのは、国中地域で一人暮らしの高齢女性が自宅を訪れた業者と交わした契約です。契約書は「住宅リフォーム工事請負契約書」名義で、業者から「火災の危険性がある」と告げられ、分電盤などを交換する契約を結びました。しかし請求額は18万円超。契約直後に別居の家族が異変に気づき、クーリング・オフで解約できたといいます。
県民生活センターによると、分電盤などの点検商法トラブル相談は、今年10月まで6件だったのに対し、11月は11件、12月は12日までに10件と、短期間で一気に増えています。さらにこの時期は、給湯器の点検を口実にした勧誘も増える傾向があるとして、「安易に点検させない」「その場で契約せず家族に相談する」ことを強く呼びかけています。
なお、今回の山梨の事例は県内に限った話ではありません。国民生活センターのPIO-NET集計では、分電盤の点検商法に関する相談は2024年度に入って全国的に急増しており、2024年11月末時点で前年同期比約25倍(461件、前年同期18件)とされています。契約当事者の約8割が70歳以上とされ、高齢者宅を狙った「不安をあおって即決させる」構図が全国で問題化しています。
正規の電気設備点検の手順

分電盤を含む家庭の電気設備点検について、経済産業省は法令に基づく点検は事前に書面で案内されることが基本であり、突然の電話連絡を起点にしないこと、さらに訪問した点検員がその場で分電盤交換などの契約を迫らない点を注意点として示しています。
正規の点検は、概ね次の流れで進みます。
① 事前通知(書面)
点検の実施主体、点検日時、対象範囲、問い合わせ先が記載された案内が届きます。ここが曖昧だったり、そもそも書面がない場合は要注意です。
② 訪問時の本人確認
点検員は身分証等を携帯し、求められれば提示します。不安なら、訪問者が言う番号ではなく、案内書面や公式サイトに載っている連絡先へ確認するのが安全です。
③ 点検の実施
点検は点検として行い、劣化・異常の有無や注意点を整理します。ここで“恐怖をあおるような断定”ではなく、根拠(どこがどう危険か)を説明し、必要なら写真や記録で示します。
④ 結果の説明と書面化
点検結果は口頭だけで終わらせず、内容を整理して伝えます。「今すぐ契約しないと危ない」ではなく、緊急度・対処方法・優先順位を分けて説明するのが通常です。
⑤ 交換・工事が必要なら“別フェーズ”で見積比較
交換工事は資格も関わる領域なので(電気工事士等)、その場で即決するものではありません。見積の内訳を出し、相見積もりも含めて比較検討するのが自然です。
疑わしい業者の特徴
ニュースの事例のような「火災リスク」を強調するトークは典型例です。
特に次に当てはまるほど要注意です。
突然の訪問/突然の電話で「無料点検」「委託された」を名乗る
「このままだと漏電・火災」など、強い言葉で不安を最大化する
その場で契約させようとする(家族に相談させない・考える時間を与えない)
見積が「一式」中心で根拠が薄い/やたら値引きを強調する
会社情報が曖昧、資格・担当者情報がはっきりしない
「今日だけ」「今すぐ」を繰り返し、比較検討を嫌がる
来訪時の“最短で安全”な対応テンプレをご紹介!

① 家に入れない/点検させない(まず玄関先で止める)
なぜ?
点検商法は「家の中に入る」ことで主導権を握ります。分電盤・給湯器・屋根などは一般の人が状態を判断しにくいので、室内に入られると “不安の演出→即決” に持ち込まれやすくなります。
やること
インターホン越し、もしくはドアチェーンのまま対応
「事前連絡のない点検は受けません」「書面をポストへ」で終了
社名・担当者名・用件を聞き、名刺もしくは書面が出せないなら切る
テンプレートとして使える一言
「今日は対応できません。点検の案内は書面でお願いします」
「家族がいないので、中には入れられません」
「必要ならこちらから連絡します。名刺だけ置いてください」
※もし本当に異常があり「焦げ臭い」「煙」「ブレーカーが頻繁に落ちる」など切迫した兆候がある場合は、訪問業者ではなく契約先や資格ある電気工事店へ連絡するのが安全です。⚡️
② その場で契約しない
なぜ?
点検商法は「今決めないと危ない」や「今日だけ安い」と話すことで判断力を奪います。しかし、契約書にサインした瞬間に、解約や返金の手間が一気に増えます(ニュースのケースも、家族が早く気づけたのが分岐点でした)。
やること
何を言われても “今日は決めない”をと伝える
見積が必要なら「書面でください」「郵送で」と伝える
“緊急”を強調されたら「第三者(電力会社/メーカー/別業者)にも確認します」と話して切る
テンプレートとして使える一言
「契約は家族と相談してからです。今日は結びません」
「見積書を置いてください。検討してこちらから連絡します」
「“火災の危険”と言われたので、まず電力会社に確認します」
③ 不安なら、契約中の電力会社/消費生活センター(188)に確認
なぜ?
“正規の点検”か“営業目的の訪問”かは、第三者に当てるのが最短です。特に大事なのは、訪問者が渡してきた電話番号にはかけないことです(自作の窓口の可能性があるため)。
やること
検針票・請求書・公式サイトに載っている番号へ電話(訪問者の番号は使わない)
最寄りの消費生活センターに電話し、「訪問で分電盤交換を勧められた旨」・「金額」・「契約書の有無」を伝える
すでにサインした/払った:契約書・見積・名刺・やり取りメモを揃えて相談(早いほど有利)
テンプレートとして使える一言
「いま訪問が来て点検と言われています。正規の点検ですか?」
「契約を迫られています。クーリング・オフできるか確認したいです」
もし契約してしまったら:クーリング・オフと相談先
訪問販売にあたる場合、消費者庁の案内では書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフ(書面または電磁的記録)が可能です。
妨害があった場合など、期間経過後でも認められるケースがある点も重要です。
迷ったらまずは消費者ホットライン「188」へ。最寄りの相談窓口につながります。
まとめ
今回のニュースが示すのは、「分電盤」「給湯器」など一般の人には状態が見えにくい設備を入口に、“火災の危険”“このままだと危ない”と不安をあおってその場で高額契約へ誘導する点検商法の典型です。とくに一人暮らしの高齢者は、判断や相談が遅れやすく狙われやすい構造があります。
対策の基本はシンプルで、①家に入れない(点検させない)②その場で契約しない③第三者に確認するの3点です。万が一サインしてしまっても、訪問販売に該当する場合はクーリング・オフなど取り返せる可能性があります。契約書・見積書・名刺・やり取りメモを保全し、早めに消費者ホットライン188や地域の相談窓口へつなげるのが重要です。
最後に、家族側の備えも重要です。高齢の親族には「突然来た点検は断ってOK」「困ったらまず電話して」と共有し、連絡先(188や契約中の電力会社)を冷蔵庫に貼っておく――それだけでも“気づきの早さ”が変わります。点検は受けるにしても、“急がない・比べる・相談する”を徹底しましょう。
